不動産の財産分与について

・財産分与と不動産の問題

im01_240離婚に伴い,婚姻中に築いた財産を清算します。これが財産分与です。

原則は,財産を2分の1に分けて互いが取得することになるので,預貯金であれば簡単ですが,自宅やマンションといった不動産を持っている方の離婚の場合は,注意をしなければならない点があります。

家族で切らしていた自宅やマンション,投資用物件を買ったという方など,不動産をお持ちの方の財産分与について,いくつか問題点を解説していきます。

・不動産の評価の問題

まず,不動産の価値をどう評価するか問題となります。現金や預貯金と違って,自宅一戸建てやマンションという不動産の価値は,評価の仕方次第でかなり上下変動します。

不動産の評価については様々な考え方がありますが,一般的には,複数の不動産業者から無料の簡易査定書を取得して,その平均値とする方法などが考えられます。近隣で条件の誓い不動産が売りに出されている場合などは,その売却希望価格を参考にすることもありますが,不動産は広さや構造,築年数やその立地の便利さによっても大きく価値に影響が出てきますから,単純に1坪当たりいくら,と決めることには,問題もあります。

実務的には,新築時や購入時の価格から,使用年数などに応じて減価償却する,という計算方法を基準にして協議の前提にすることもあります。

こういった算定方法のうち,いずれの手法を採用するかという所でも争いになることがあり,もしどうしても合意ができなければ,不動産鑑定を実施することになりますが,鑑定費用自体が高額になる事もあり(少なくとも数十万円程度かかるものが多いように思います),考え物です。

ローンが残っていて,不動産の現在の価値よりも多い場合(オーバーローンと言います)などは,そもそも不動産自体の残余価値がゼロだという事で,分与対象としないという考え方もあるところです。

・分割の方法

マンションや一軒家を,物理的に二つに分けるという事はできません。

そこで,夫婦のうちどちらかが物件を取得することにし,相手には代償金という形で,価値の半分に相当する現金やその他の財産を渡して清算するという方法を取ることになります。

よく問題となるのは,いままで家族で住んでいた広い自宅を取得しても,自分一人だけでは持て余してしまうという理由で,夫婦どちらも当該不動産の取得を希望しないというケースや,不動産以外にめぼしい財産が無いので代償金を支払えない,というようなケースです。

非常に悩ましい事案ですが,最終的には,不動産を売りに出して,売却代金を二人で分けるというような解決方法が,一つの解決策でしょう。

・オーバーローンの場合

土地を買う際に,ローンを組むという事があります。

しかし,ローンの返済がまだ途中なのに離婚になって財産分与を考えるとなったとき,このローンの残りをだれが負担するかというのは,よく問題になります。

話し合いの可能性としては,土地を使いたいと希望する方が取得し,ローン分も残りを払い続けるという事がありますが,例えばローンは夫名義で結んでいるのに妻に土地を取得させるという場合,ローンの名義を夫から妻に変更できるかというのは,貸付を行っている銀行との調整が必要となるため,手続が難航する危険があります。(銀行はローンの審査を行うときに,名義人になる夫自身の収入や信用をもとに契約に臨みますので,借主の都合で名義人を変えたいと言っても,応じてもらえないことが多いです)

それでも協議が整わずに裁判所での解決となった場合,ローンの残額の方が土地自体よりも多い,いわゆるオーバーローンとなった場合には,これは,土地の価値自体はゼロであって清算すべき財産として扱わないという事もあるようです。

なお,オーバーローンの不動産が夫婦で共有状態である場合には,最終的には共有物の分割や競売(民法256条,258条)などの手続きで処理することになります。

・譲渡所得税の問題(譲渡する側の税金の問題)

離婚に伴って不動産を譲渡するという手続きを取る場合,給付者に譲渡所得税(所得税法33条)が課される場合があります。

離婚に伴う財産分与の方法として,夫名義の不動産を妻に譲渡する,という方法はよくありますが,この場合,財産分与行為が課税対象となるという事は,最高裁の判例で認められています(昭和50年5月27日最高裁判決)

譲渡所得税が課せられるかどうかは,譲渡所得の計算方法によって決まります。すなわち,分与財産の時価(実勢価格,市場価格)から資産の取得費(仲介手数料や設備費も含む)や譲渡費用(測量や登記費用など)を引いた譲渡所得が基準となります。購入額よりも不動産の価値が値下がりしている場合には譲渡所得は発生しないので,課税対象にはならないという理屈になりますが,ここでいう「購入額」は実際に買った際の額面ではなく,期間に応じて減価償却を受けることになるので,注意が必要です。

・不動産所得税(譲渡を受ける側の税金の問題)

財産分与により不動産を取得する場合,取得者には不動産取得税が課せられます。

これは,固定資産税評価額(課税標準額)に4%を乗じた額が不動産取得税額として計算されることになります。

例外として,夫婦共有財産の清算を目的として財産分与を行う場合など,税金の減免や軽減措置をとれる可能性もありますが,いずれにしても財産分与によって不動産を取得するとなった際には,不動産取得税の負担がどうなるか,注意しておく必要があります。

また,所有権移転登記の手続きをする際に,登録免許税がかかります。不動産価格の1000分の20と定められていますし,登記手続きを司法書士等に依頼する場合は別途の手数料が必要となります。

・土地の財産分与なら専門家へ!

このように,不動産を財産分与する場合,いくつもの注意点があります。

離婚を考えているが土地持ちの家なので揉めそう。離婚自体は合意できているのに,財産分与で歩み寄りが難しい。そんな方は,まず当事務所にご相談ください。離婚に向けてどういった点が紛争になりそうか,どのような点に注意すればスムーズに離婚に向けて動き出せるか,経験豊富な弁護士がアドバイスいたします。

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