歯科医師の離婚問題

im01_240歯科医師の方で離婚を考えたとき,気をつけなければならない点があります。

・財産分与の問題

多くの歯科医師の方は,ご自分の歯科医院を開業して,歯科医師1人,口腔衛生士やスタッフ数名という体制で営業なさっていると思いますが,医院内には,治療のための器具や専用の施設など,非常に高額な機器が備え付けられていると思います。

なかには,ご自宅に歯科医院を併設している方も多いでしょう。

これが,財産分与の対象になり得るのです。

財産分与とは,婚姻中に築いた財産を清算する手続きの事で,通常は婚姻中に増加した財産分の2分の1を,相手方に渡すことになります。

これが現金や預貯金であれば計算は楽ですが,上に述べた歯科医院内の機械や自宅不動産となると,物理的に半分にすることはできません。そこで,これらの価値を算定したうえで,過不足が無いように金銭で補てんする,という方法が,よくとられます。

しかし,歯科医院内の設備や,先生のご自宅の不動産価値というのは,極めて高額だと思います。
これは歯科医院の運営のために手放すことはできない設備なので,売りに出すことも相手に渡すこともできない物件なのですが,こちらで取得する以上は財産的な調整を考慮しないわけにはいきませんから,非常に悩ましい問題と言えます。

もちろん,結婚前から有していた,自分独自の財産であるという場合など,財産分与の対象とならないケースもあります。

いずれにせよ,財産分与の範囲がどうなるか見極めるという作業が必要になります。

・妻がスタッフを兼ねている場合の問題

家業を妻に手伝わせる,というのは良くあることですが,妻を歯科医院で雇っているという場合,法律的には妻と歯科医院との間で雇用契約が成立します。これは,歯科医師とスタッフが離婚したから当然に解雇,という訳にはいきません。夫婦関係と雇用契約は別の問題として考える必要があるからです。

しかし,離婚した妻に引き続きスタッフとして働いてもらうというのも,非常にやりづらいですし,歯科医院全体の雰囲気にも影響が生じかねません。

離婚の際には,慰謝料や財産分与といった問題も協議する必要はありますが,合わせて,仕事を辞めてもらうという意味での調整をして,手切れ金代わりに退職金を支払うなどして穏便に辞めていただくなど,工夫が必要になることもあります。

離婚の際には,子供の事やお金の事といった,いろいろな内容を念頭に置いて協議を進める必要があります。歯科医師の先生方にとっては,仕事だけでも忙しいのに,家庭問題まで頭を悩ますとなると,どうしても負担が大きくなりがちだと思います。

もし,離婚の事でお悩みの方がいらっしゃいましたら,すぐに当事務所にご相談ください。
毎日のブラッシングで虫歯を予防するように離婚を防ぐ・・・とはいきませんが,生じてしまった離婚問題を治療し,紛争が再発しないようにするにはどうすればいいか,丁寧なケア方法をアドバイスいたします。


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