公務員の離婚問題

im01_240夫婦の一方が公務員の方が離婚する場合には,いくつか気をつけなければならないポイントがあります。

・財産分与,養育費の事

公務員の方は,民間に比べて収入が高く安定しているため,貯蓄も多い傾向にあるようです。
このような場合,財産分与や養育費の額を定める際に,その額をいくらと定めるべきか,注意が必要です。

・財産分与について

財産分与とは,夫婦の協力によって築き上げた財産を,離婚に際し清算するというもので,婚姻後に夫婦の協力で取得した財産がすべて含まれます。預貯金や現金はもちろんですが,不動産,証券やゴルフ会員権などもその対象となります。

・養育費について

収入が多い方に未成年の子供がいると,離婚後も子供が成人するまで,養育費を支払うという義務が出ていきます。離婚後も,親権は取られても,親は親,ということです。

問題は,その金額です。

養育費の決め方は,通常は,夫の収入と妻の収入,そして子供の数や年齢によって計算される一定の基準があり,その基準の中で定めます。たとえば年収500万円の方,15歳未満の子供がひとり,妻は専業主婦という条件であれば,だいたい,月4~6万円前後というのが標準です。しかし公務員の方で手当てがつくなど,年収の金額がさらに高額の方については,毎月の養育費も高額になる事があります。

また,一般に養育費とは公立中学校・高校に進学するケースを念頭に置いていますが,私立学校に通う際の学校教育費は含まれていません。親が公務員になるという教育レベルの高い家であれば,その子供にも当然,一流の高校,大学に進学させたいという考え方が出てくるでしょうから,つまり私立高校の学費や大学の進学費用をどちらが負担するのか,という点も考慮しておかなければなりません。この点を決めずに先に離婚をしてしまうと,子供が大学進学をする際に,入学金や学費の分担について,紛争が蒸し返されること危険があります。

・養育費の金額は一度決まってしまうと,ずっと変えられないのか?

公務員と一口に言っても,中には様々な方がいらっしゃいます。

特に,いちど市役所に入れば引退まで安泰という方ばかりでなく,最近は,1年契約の採用が更新するなどといった「非正規公務員」の方も多くいらっしゃいます。

また,国や地方自治体の人件費を安く抑えるため,公務員であっても比較的薄給でお勤めの方も,多くいらっしゃることが,近年問題視されてきています。

こういった方たちについては,単に公務員だからという理由だけで,養育費や財産分与が不当に高額に認定されるわけではありません。本人の収入額をもとに適正に計算されるものです。

また,必ずしも来年度の更新が保障されていない非常勤の方については特に,将来の収入が大きく減額する危険というのも,存在します。

こういった場合には,養育費の支払い義務者の収入が減少したことを理由に,養育費の減額を求めて交渉や調停を起こすという事も可能です。ですが,せっかくまとまった紛争を蒸し返すという事にもなりますので,将来の減収などがある程度予想できるうちは,それも踏まえて,毎月の養育費の額をやや低額に抑えておくとか,なんらかの対応をしておく方法もあり得ます。

・退職金について

公務員の方は,民間よりもしっかりした退職金を受け取られることが多いかもしれません。

まだ受け取っていない退職金であっても,近い将来確実に受け取りが予想される場合には,これも財産分与の対象と評価されることがあります。熟年離婚が増えてきた最近よく問題になりますが,退職金が支払われたことを条件にしての分与を命じるものや,結婚期間に対応する退職金と寄与の割合を掛け合わせて分与を命じる事例など,裁判所でもさまざまな方法で財産分与を命じることがあります。

・弁護士に相談することのメリット

公務員の方は,職業柄真面目な方が多く,それだけに自分の家庭問題の事を誰かに相談するとか,弁護士に頼るといったことに抵抗をお持ちの方もいらっしゃるようです。

しかし,公務員であっても離婚問題に巻き込まれることは,なにもおかしいことではありません。ましてや離婚や財産分与,親権といった複雑な話で弁護士に相談するのは,なにもやましくありません。ご自身の利益を最大限に守るため,また新たな生活に向けた第一歩をスムーズに歩みだすため,できるだけ早い段階でのご相談をお勧めいたします。

当事務所では,初回相談は無料です。ご予約いただければ夜間,週末のご相談もお受けできますから,お仕事の都合で平日は相談できないという方も,安心してご連絡ください。また,弁護士は守秘義務を負っていますので,あなたが相談された内容がほかの誰かに知られることはありません。


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