商社マンの離婚問題

im01_240バリバリと仕事をこなす商社マンというと,どうしても仕事にかける時間と情熱が大きくなり,家庭の事が後回しになっているうちに離婚問題に発展,ということもあるかもしれません。

商社マンが離婚する場合,いくつか気をつけなければならないポイントがあります。

・離婚原因について

離婚は,両社の合意によってする場合以外は,「婚姻を継続しがたい重大な事由」がなければ認められません。(民法770条)

そのため,なぜ離婚したいと考えているのか,その原因を認識することは,離婚手続きに向けてまず重要になってきます。

そして,商社にお勤めの方は,非常に忙しく,激務に耐えていらっしゃる方が多いようです。1年の3分の1は海外出張だとか,日本にいるときも毎日日付が変わるまで残業や飲み会,休日は接待ゴルフといった具合に,どうしても家にいる時間が短くなりがちです。

世の中には,夫が家庭を顧みない,家族との時間を大切にしないという理由で離婚したがるという妻もいます。たしかに育児や家事をすべて押し付けて家庭を顧みないとか,家に明けってこない期間が長期に及ぶという事であれば,それが婚姻を継続しがたい重大な事由(民法770条)として離婚下人になりうることはあるでしょう。

しかし,商社にお勤めだという特殊な事情があり,家族を養うために働いていたのだという事であれば,必ずしも,家にいられる時間が短いことのみをもって離婚原因として認められるものではありません。妻の立場としても,商社に勤めていて忙しいとわかっていながら彼と結婚し,比較的高額の生活費を受け取りながら過ごしてきたのであれば,最初から分かっていた「忙しい」という理由で離婚を切り出すのは,やはり問題でしょう。

商社にお勤めの方で離婚の話を考える際には,まず,なぜ離婚したいのか,その原因の本質はなんなのか,冷静に考える必要があるでしょう。

・財産分与,養育費の事など

商社にお勤めの方は,高額所得者の方が多いようです。大手商社従業員の平均給与は1000万円を超えており,残業代や各種手当次第では20代で1000万円を超える方もいらっしゃるかもしれません。

このような場合,財産分与や養育費の額を定める際に,その額をいくらと定めるべきか,注意が必要です。

・財産分与について

財産分与とは,夫婦の協力によって築き上げた財産を,離婚に際し清算するというもので,婚姻後に夫婦の協力で取得した財産がすべて含まれます。預貯金や現金はもちろんですが,不動産,証券やゴルフ会員権などもその対象となります。

結婚後,マイホームを買ったとか,家族で乗るための高級自動車を買ったなどの場合には,これも分与対象となります。もしローンが残っているような場合は,どのくらいの残余価値があるのかを慎重に計算しなければなりません。また,会社の給料から毎月一定額の積立金があるとか,保険に入っているというような場合の解約返戻金も,分与財産となりうるものです。商社マンの方の中には,財テクのために投資を行っている方もいるでしょうが,こういった財産も分与対象です。

ただし,結婚前から有していた財産や,結婚生活とは関係ないレベルで取得するに至った財産(親から相続を受けたなど)については,特有財産と言い,分与対象から外れてきます。

そのため,離婚を考えるにあたっては,まず,どういった財産が分与対象になり得るのか,洗い出して検証する必要があります。

・養育費について

収入が多い方に未成年の子供がいると,離婚後も子供が成人するまで,養育費を支払うという義務が出ていきます。離婚後も,親権は取られても,親は親,ということです。

問題は,その金額です。

養育費の決め方は,通常は,夫の収入と妻の収入,そして子供の数や年齢によって計算される一定の基準があり,その基準の中で定めます。たとえば年収500万円の方,15歳未満の子供がひとり,妻は専業主婦という条件であれば,だいたい,月4~6万円前後というのが標準ですが,年収2000万円の方の養育費は,15歳未満の子供一人のケースでは,だいたい月20万円くらいになります。

また,一般に養育費とは公立中学校・高校に進学するケースを念頭に置いていますが,私立学校に通う際の学校教育費は含まれていません。親が大手商社に勤めるという教育レベルの高い家であれば,その子供にも当然,一流の高校,大学に進学させたいという考え方が出てくるでしょうから,つまり私立高校の学費や大学の進学費用をどちらが負担するのか,という点も考慮しておかなければなりません。この点を決めずに先に離婚をしてしまうと,子供が大学進学をする際に,入学金や学費の分担について,紛争が蒸し返されること危険があります。

・退職金について

商社勤務の方は,他の会社よりもしっかりした福利厚生や退職金を受け取られることが多いかもしれません。

まだ受け取っていない退職金であっても,近い将来確実に受け取りが予想される場合には,これも財産分与の対象と評価されることがあります。熟年離婚が増えてきた最近よく問題になりますが,退職金が支払われたことを条件にしての分与を命じるものや,結婚期間に対応する退職金と寄与の割合を掛け合わせて分与を命じる事例など,裁判所でもさまざまな方法で財産分与を命じることがあります。

・弁護士に相談することのメリット

商社マンの方は,たいへん活動的で頭も切れる方が多く,それだけに自分の家庭問題の事を誰かに相談するとか,弁護士に頼るといったことに抵抗をお持ちの方もいらっしゃるようです。

しかし,バリバリの商社マンであっても離婚問題に巻き込まれることは,なにもおかしいことではありません。ましてや離婚や財産分与,親権といった複雑な話で弁護士に相談するのは,なにもやましくありません。ご自身の利益を最大限に守るため,また新たな生活に向けた第一歩をスムーズに歩みだすため,できるだけ早い段階でのご相談をお勧めいたします。

当事務所では,初回相談は無料です。ご予約いただければ夜間,週末のご相談もお受けできますから,お仕事の都合で平日は相談できないという方も,安心してご連絡ください。また,弁護士は守秘義務を負っていますので,あなたが相談された内容がほかの誰かに知られることはありません。


ご自身のケースに当てはめて、解決事例をご確認ください。その他、職業別の離婚の特徴についてまとめてありますので、ご覧ください。

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