弁護士の離婚問題

im01_240いつもは他人の離婚問題を扱う弁護士ですが,たまに,自分が離婚問題の当事者になる人もいます。

ですが,離婚を考えている弁護士は,だいたいの法律問題は自分で処理できてしまいますから,このページでは「弁護士と離婚しようとしている方」に有益な情報を提供してみようと思います。
(同業者に恨まれるかもしれませんが)

・弁護士特有の問題

弁護士と離婚しようとすると,通常のケース以上に気をつけなければならない点があります。

相手が弁護士なので弁が立つというのもあるでしょうが,法律的な知識の理論武装をしておけば,離婚協議を有利に進めることもできます。

離婚に際して,あなたの権利が不当に害されないよう,まずは検討事項を洗い出してみましょう。

・財産分与の問題

弁護士の平均収入の低下などが報道されることもありますが,多くの弁護士は,世間の基準でいえば高額所得者です。平成26年の弁護士の平均年収は1030万円ほどあるというデータもあります。

となれば,結婚期間中に蓄えた財産も,非常に高額になっているはずです。

結婚期間中に夫婦で築いた財産は,財産分与の対象となり,原則としてその2分の1を分与されることになりますから,弁護士と離婚する際には,まずこの財産分与を注意しなければなりません。

離婚協議の前提として,結婚時点と現在との貯金通帳を見比べてみて,どのくらい貯金額が増えているか,割り出してみましょう。

また,弁護士は,一人で複数の通帳を持つこともあります。自分の事務所経営用の通帳や,依頼者ごとの報酬の受け取り通帳や,一時的な保管金管理用の通帳,そして,へそくり用の通帳など・・・学生時代からの生活費用の通帳を一つだけ使い続けているというようなケースの方が珍しいと思いますから,気をつけてみましょう。

自宅や,事務所に届いている郵便物を注意深く見てみると,先生宛てに複数の銀行からの封筒が来ていませんか?こういった情報が一つの手掛かりにはなるでしょう。

・弁護士には退職金が無い?

弁護士をはじめとする士業は,自分の名前と資格で仕事をするという,やや特殊な働き方をしています。つまり,「府中太郎法律事務所」を一人で切り盛りしている「府中太郎」先生は,誰にも雇用されることなく,自分の名前で仕事を取ってきて,経費を差し引いた分がその月の収入,という仕組みになっています。

そのため,一般の企業ならありそうな,退職金や積立金といった福利厚生などがない,という場合が多く,伝統的な弁護士のリタイア後の生活費は,国民年金や国民年金基金,民間の銀行の積立貯金などを用意していることが多いです。

弁護士だから退職金は無いんだ,と言われても,ああそうですかと納得する前に,その他の積立や財産が無いのかを,気をつけてみてみましょう。

また,弁護士が数十人も所属するような大手の法律事務所,弁護士法人などでは,民間の会社などに準じた福利厚生が用意されていたり,退職金規定も,もしかしたら,あるかもしれません。確認してみる価値はあるでしょう。

・養育費について

一般的に養育費は,未成年の子が成人するまでにかかる費用を負担するという内容で,毎月一定の額を支払うことにして,離婚時に定めます。

この養育費の金額は,離婚時での夫婦の収入によって定まりますが,弁護士のような「自営業」の場合は,確定申告の際の「課税される所得金額」を総収入と位置付けて,計算の基礎にするのが原則です。

ただし,弁護士は,自分の営業のために関係がありそうなものを,広く「経費」と位置付けて,収入から控除して計算していることがあります。(もちろん,売り上げのために必要な経費を申告する節税行為は,税法上まったく問題ないのですが。)

裁判所で扱われた事例としては,確定申告書の記載を必ずしも採用せず,実際の生活実態から収入を推計するという例もあるので,形式上の「所得」が低く設定されていても,それだけで諦めてはいけません。

・離婚原因について

法律上,協議のうえで合意して離婚できない場合には,不貞や遺棄といった法定の離婚事由(民法770条)がないと,離婚が認められません。

特に不貞(浮気)については,証拠を見つけるのが難しい場合が多く,本当は浮気しているはずなのに証拠が無いから勝てない,ということもしばしばあります。こうなると,離婚できたとしても慰謝料の支払いが見込めない,というような場合もあります。

一般の方は,浮気の証拠としては,例えば恋人からのメールの履歴であるとか,デートしたりラブホテルの中で過ごしているときに様子を携帯電話のカメラで撮影したりするという人もいて,こういった証拠を押さえることで,言い逃れできなくなる場合があります。

しかし,そこは弁護士ですから,こういったものが自分に不利になる事は分かっていますので,巧妙に証拠隠しをしているのでしょうから,「シッポをつかむ」ことは,容易ではありません。

もしあなたが,先生の事務所の仕事を手伝っていて,先生の事情をよく知っている事務員さんや同僚の弁護士先生と仲が良いのであれば,そういった周りの人の証言を取り付ける等,外堀から埋めていくという手もあるでしょうが,難しいかもしれません。先生が浮気をしている,という確信があるのであれば,探偵に依頼して,ラブホテルに入っていく際の写真を撮ってきてもらうなども,検討すべきかもしれません。

・協議の方法はどうする?

離婚について話をするのは,可能であれば,当事者が冷静に話し合って,今後の事や離婚の条件を納得するまで突き詰めるのが理想的です。

しかし,離婚原因が浮気だとか,家では暴力夫だとか言ったような場合,どうしても冷静な話し合いは難しいものがあります。特に弁護士はプライドが高く,しかもこの手の問題に対する頭の回転は速いですから,一方的に言いくるめられて話し合いにならない,というケースもあるかもしれません。

そんなときは,たとえばあなたの希望や疑問点を,できるだけ簡潔に箇条書きにして紙に書き出して,先生に渡してみましょう。書面で質問を受けるという事に弁護士はとても慣れていますから,面と向かって話をするよりもむしろ冷静に受け止めてくれる可能性があります。

それでも話し合いにならないのであれば,自分もほかの弁護士に相談をして,離婚に向けての交渉の代理を委任するとか,調停を申し立てて裁判所の中立な手続きの下で話し合いを目指すという方法があります。

弁護士先生との離婚を考えているけど,自分一人ではどうしても難しいという方がいらっしゃいましたら,どうぞためらわずに当事務所にご相談ください。

弁護士は守秘義務を負っていますから,あなたが相談に来たという事実も含めて,だれにも知られることはありません。また,弁護士同士だからフェアでない,相手の肩を持つという事も,絶対にありません。当事務所は依頼者の方の利益を最優先に,公正で正義にかなった事件処理をモットーにしています。


ご自身のケースに当てはめて、解決事例をご確認ください。その他、職業別の離婚の特徴についてまとめてありますので、ご覧ください。

サービスメニュー選び方

PAGE TOP