プロ野球選手の離婚問題
あの超一流のピッチャーと美女モデルの離婚調停の報道をご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。また,レジェンド級の元ホームランバッターと美人芸能人との離婚やその後の話を,ワイドショーなどで取り上げるのも,よく見かけたものです。
このように,野球選手が結婚したり離婚したりすると,大々的に報道されるのが常です。
さて,野球選手が離婚する際には,注意しなければならないポイントがいくつかあります。
・マスコミの取材攻勢に備える事
プロ野球選手は,その肉体美とスター性のためでしょうか,芸能人やモデルさんと結婚することが多いようです。最近だと,「鯉のプリンス」堂林選手が枡田アナウンサーと結婚して,カープ女子の悲鳴が聞こえたような気がしました。
そこで意識しなければならないのが,プロ野球選手とその妻は,もはや「一般人」ではないという認識です。
有名税,という表現もあるかもしれません。華やかな世界のスターであるほど,世間の好奇心の対象になってしまうものです。
そこで,離婚の調停や裁判を準備しているという事がマスコミにばれてしまうと,根も葉もない記事を書かれたり,パパラッチ的な取材攻勢にあったりしてしまうリスクが高まります。
これは,相手方との誤解や疑心暗鬼を招く恐れもありますし,なにより精神衛生的に良くありません。冷静な協議をするチャンスまで逃してしまい,離婚協議が泥沼化してしまう可能性もあります。
なので,プロ野球選手が離婚を考えたら,まずは,マスコミにばれないように,誰彼なく相談をするのは控えたほうが無難でしょう。もちろん,信頼できる親友や先輩,監督に話を聞いてもらって,悩みを打ち明けるのは良いと思いますが,どこで誰が聞いているか分かりません。壁に耳あり,です。
離婚問題の早期解決には,なによりも,条件を冷静に定めて協議離婚をする方針が肝心です。そのために何を決めればいいか,まずは弁護士にご相談いただくのが良いかもしれません。
・養育費の事
子供がいる場合には,親権をどうするとか,養育費をいくらにするといった問題が出てきます。
養育費というのは,未成年の子供が成人するまで,その成長の過程で必要な費用を支払うことで,通常は,収入の多い夫が,収入の少ない妻の下で養育される子供のために,毎月,一定の金額を払います。
問題は,その金額です。
養育費の決め方は,通常は,夫の収入と妻の収入,そして子供の数や年齢によって計算される一定の基準があり,その基準の中で定めます。たとえば年収500万円のサラリーマンで,5歳の子供がひとり,妻は専業主婦であれば,だいたい,月4~6万円前後というのが標準だと考えられています。
ただし,一流のプロ野球選手の収入は,そんなものではないですよね。
選手会の発表によると,2014年の平均年俸は,セパの差はありますが3600万円から3700万円とのことでしたから,通常のサラリーマンのケースよりは明らかに収入は高額になります。となると,子供の養育費も,同様にある程度高額な金額にならざるを得ません。
また,ご存じのとおりプロ野球選手のみなさんの年俸は,毎年,契約更改の際に決まりますし,不幸にもケガや不調が続けば,いつ戦力外になるかもわからないという職業でもあります。
そうなると,たとえば今年は1年契約で年俸2000円だったとしても,来季はフリーで年俸なしとか,月給15万円程度の独立リーグに所属するというようなことも,無いわけではないのです。
このようなときに,年俸2000万円の時の基準できめた養育費を払えと言われても,実際問題,難しいわけです。場合によっては,離婚後にタレント復帰した元妻の方が収入が多いという事もあるかもしれません。
このように,その職業柄,野球選手の養育費問題は,単純には決まりませんから,この点を踏まえて,離婚協議の際によく考えて条件を決める必要があります。
(なお,年収2000万円の方の養育費は,15歳未満の子供一人のケースだと,だいたい月20万円くらいになりますが,月収15万円のケースでは月2万円前後という所です。)
・親権について
子供がかわいい気持ちは,野球選手も一般の人も同じだと思いますから,親権について争いになる事もあるでしょう。
親権は,最終的には,「どちらの親についていくのが子供にとって幸せか」という観点で決めるべきものですが,プロ野球選手のかたはどうしても,1年の内の半分近くをシーズンやキャンプで過ごすため,地元にいることのできる時間にも限りがあります。
親と一緒に過ごす時間は,子供にとって,かけがえのない時間です。このことを考えれば,自分のもとで子供を養育監護することに固執することは,必ずしも良いことなのかどうかは,いちど冷静に考えないといけないのかもしれません。
ただ,離婚後にも,父親として子供と定期的に面会して,親交をはかるという「面会交流」ということは可能です。月に1回など,時間やタイミングを決めて,子供と定期的に会い,キャッチボールを教えるとか,自分の出場する試合に招待するといった方法で,親子の絆を維持するなど,あなたたち親子ならではの交流の図り方も,あるかもしれません。
・まとめ
華やかな世界で活躍する方だからこそ,家族の問題は人に話しづらい,孤独な問題です。
もしこのページをご覧のプロ野球選手の方で離婚についてお悩みの方は,当事務所に一度ご連絡ください。秘密厳守で相談に乗ることができます。
なお,当事務所代表弁護士は広島東洋カープのファンで,独身時代に妻と一緒に東京ドームや神宮球場3塁側で,よくデートをしたものです。
私自身は堂林選手のスター性に魅力を感じており,将来の主軸として和製大砲化するのを心待ちにしていますが,妻は前田健太投手のファンのようで,最近では私の娘も,大世良大地投手が登板しているのを見てテレビにくぎ付けになっているなど,私の家族は揃いも揃って「カープ女子」の素質は十分のようで,うれしいような,父親としてはさみしいような,複雑な気持ちでいます。ですが,12球団どの方のご相談にもフェアプレーの精神で応じていますので,ご安心ください(笑)
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