デザイナーの離婚問題

im01_240ファッションやウェブデザイン,建築まで,世の中のさまざまなものを美しく仕上げるデザイナーという職業。

華やかでクリエイティブなイメージの裏で,誰にも言えない離婚の問題を抱えるという事もあるかと思います。

歓声が売り物になる,繊細な職業だからこそ,離婚を考えるときにはきちんと問題を知り,ポイントを押さえておくことが重要です。

・離婚原因について

離婚は,両社の合意によってする場合以外は,「婚姻を継続しがたい重大な事由」がなければ認められません。(民法770条)

そのため,なぜ離婚したいと考えているのか,その原因を認識することは,離婚手続きに向けてまず重要になってきます。

そして,デザイナーというのは,自分の内なる感性や感情と向き合ってイメージをアウトプットするという,孤独な職業です。ともすれば,自分の世界に閉じこもりがちになるとか,スランプの際に家族に強く当たってしまうなどということも,あるかもしれません。

世の中には,夫が家庭を顧みない,家族との時間を大切にしないという理由で離婚したがるという妻もいます。たしかに育児や家事をすべて押し付けて家庭を顧みないとか,家に明けってこない期間が長期に及ぶという事であれば,それが婚姻を継続しがたい重大な事由(民法770条)として離婚原因になりうることはあるでしょう。

しかし,デザイナーという特殊な職業に従事しており,家族を養うために働いていたのだという事であれば,必ずしも,家にいられる時間が短いことのみをもって離婚原因として認められるものではありません。

また,デザインや芸術系の華やかな世界にいると,どうしても,異性関係も奔放になるのではないかとか,という「疑い」だけを持たれてしまうこともあるかもしれません。しかし,「疑い」だけでは離婚は成立しません。客観的な証拠でもって,不貞行為やその他婚姻を継続しがたい事由があるかどうか,裁判上立証可能なのかどうか見極めることが,離婚問題の第一歩として重要です。

離婚の話を考える際には,まず,なぜ離婚したいのか,その原因の本質はなんなのか,そして立証できる証拠があるのか。逆に相手が証拠を持っているのか。こういった争点を,冷静に判断する必要があるでしょう。

・財産分与,養育費の事など

デザイナーと言っても,大手の企業にお勤めの方や,自分のデザイン会社を経営している人,またフリーランスで活躍している方と,その働き方は様々です。そうなると,収入や貯蓄についても,かなり個人差がある事でしょう。

もし,自分のデザイン事務所を持っているとか,デザイン料で高額の収入があるという場合,財産分与や養育費の額を定める際に,その額をいくらと定めるべきか,注意が必要です。

・財産分与について

財産分与とは,夫婦の協力によって築き上げた財産を,離婚に際し清算するというもので,婚姻後に夫婦の協力で取得した財産がすべて含まれます。預貯金や現金はもちろんですが,不動産,証券やゴルフ会員権などもその対象となります。

結婚後,マイホームを買ったとか,家族で乗るための高級自動車を買ったなどの場合には,これも分与対象となります。もしローンが残っているような場合は,どのくらいの残余価値があるのかを慎重に計算しなければなりません。また,会社の給料から毎月一定額の積立金があるとか,保険に入っているというような場合の解約返戻金も,分与財産となりうるものです。個人で営んでいるデザイン事務所がある場合は,この価値についても分与対象とることがあります。

ただし,結婚前から有していた財産や,結婚生活とは関係ないレベルで取得するに至った財産(親から相続を受けたなど)については,特有財産と言い,分与対象から外れてきます。

そのため,離婚を考えるにあたっては,まず,どういった財産が分与対象になり得るのか,洗い出して検証する必要があります。

・養育費について

収入が多い方に未成年の子供がいると,離婚後も子供が成人するまで,養育費を支払うという義務が出ていきます。離婚後も,親権は取られても,親は親,ということです。

問題は,その金額です。

養育費の決め方は,通常は,夫の収入と妻の収入,そして子供の数や年齢によって計算される一定の基準があり,その基準の中で定めます。たとえば年収500万円の方,15歳未満の子供がひとり,妻は専業主婦という条件であれば,だいたい,月4~6万円前後というのが標準ですが,年収2000万円の方の養育費は,15歳未満の子供一人のケースでは,だいたい月20万円くらいになります。

また,一般に養育費とは公立中学校・高校に進学するケースを念頭に置いていますが,私立学校に通う際の学校教育費は含まれていません。親がデザイナーとして活躍しているという姿をみると,子供も美術大学に行きたいとか,美大受験用に専門の塾に通いたいなどという考え方が出てくるでしょうから,大学の進学費用をどちらが負担するのか,という点も考慮しておかなければなりません。この点を決めずに先に離婚をしてしまうと,子供が大学進学をする際に,入学金や学費の分担について,紛争が蒸し返されること危険があります。

・親権について

争いになりやすいのは,やはり子供の事です。離婚をした後でも親と子供の関係というのは,死ぬまで親子です。

子の親権は,離婚の際に夫婦で話し合って定めますが,協議が整わない場合は,裁判所の手続き(調停や審判)で定められます。例外もありますが,基本的には子供を実際に養育していく方(監護権者)が親権者となります。

では,父親と母親,どちらが親権者となるのでしょうか。

法律上は,子の福祉の観点から,すなわちどちらの親の元で育てられるのが子供にとって幸福かという基準で判断されるのですが,実際には,子供の現在の養育環境,両親の収入や生活スタイル,そしてある程度大きい子供であれば本人の意思も尊重されます。

しかし現実的には,やはり,母親が親権者となるというケースが多いのも事実です。父親の方が収入も多いし生活も安定している,デザイナーという職業柄,子供の感性も豊かに育つ,という主張も考えられますが,裁判実務的には,特に小さい子供であれば母性優先の原則(母親の方が子育てに優れているという考え方)はいまだに強く残っていますし,不規則な働き方をしながら子育てをすることの難しさというのは,とてもシビアに見られます。

ケースバイケースですが,父親が親権にこだわると,紛争解決に時間がかかるという傾向があります。子供に対する親の気持ちは痛いほどよく分かりますが,子供とのかかわり方については,例えば月に1回,自分のアトリエに呼んで絵を教えるとか,美術館に行くというような,面会交渉という手続きでかかわりを持つことにして,普段の養育は相手に任せる,金銭的なサポートは父親として責任を持つ,というようなスタイルも,一つの方法として有り得るところです。

真剣についてのお悩みの方にも,どういった解決方法を目指せばもっとも良い新生活をスタートできるか,共にプランを考えましょう。

・弁護士に相談することのメリット

デザイナーの方は当然仕事に忙しく,クリエイティブな仕事です。作品の完成度というものは追求しだせば終わりがありません。そのため,自分の家庭問題の事を冷静に考えたり,法律がどうなっているかを調べたりする時間が無いという方も多いことでしょう。また,気力,体力も感性も非常に消耗する仕事も多いでしょうから,離婚問題でイライラしながら,優れた作品を作ることは難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,男女の問題はどうしても発生します。自分一人で解決が難しい離婚や財産分与,親権といった複雑な話で弁護士に相談するのは,なにもやましくありません。むしろ,できるだけ早期に,専門的な知識と見通しの下で離婚問題の対応方針を確定することで,協議や訴訟手続きも泥沼化させず,効率よく解決方法を探ることが可能になります。

また,トラブルの解決までの道筋が見えさえすれば,精神衛生的にも,意外なほど楽な気持ちになれるものです。

ご自身の利益を最大限に守るため,また新たな生活に向けた第一歩をスムーズに歩みだすため,できるだけ早い段階でのご相談をお勧めいたします。

当事務所では,初回相談は無料です。ご予約いただければ夜間,週末のご相談もお受けできますから,お仕事の都合で平日は相談できないという方も,安心してご連絡ください。また,弁護士は守秘義務を負っていますので,あなたが相談された内容がほかの誰かに知られることはありません。


ご自身のケースに当てはめて、解決事例をご確認ください。その他、職業別の離婚の特徴についてまとめてありますので、ご覧ください。

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